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読書

近況:自室より⑤

自宅のお風呂だと所謂「カラスの行水」なのですが、このスピーカー(マーシャル・エンバートン)を買って以来、長湯するようになりました。この感じだと、音楽ではなく Kindle を買って入浴しながら読書しても良いのではないかなと思います。まあ、そこまで…

乙女の港

創作にありがちな女の子同士の恋愛というよりも,拗らせた思春期女子にありがちな疑似恋愛的関係を描いたものでした。それも三角関係。この世界は男性には決して理解できないはずの社会ですが,男性である川端康成が書くのですから,そりゃノーベル賞も取り…

受験のための英語学習について

現在の学校では、生徒は知識を詰め込むことが「勉強」することだと認識している現状である。彼らにとっての勉強の目的とは大学入学のために「受験に合格すること」であり、そのためには膨大な知識が必要であると様々な授業を通して教えられている。そのため…

『わたしを離さないで』

今さら“Never Let Me Go”を読了しました。「面白い本だった」と感想を綴ると、本当に読んでいるのか疑われそうなのですが、手法が‘Unreliable narrator’である以上、私からは「良い本だった」としか発信することができないような気がします。

知識の価値

豊富な知識は、退屈から身を護る盾になる。我々の身の回りで、意識しないまま耳に入れる単語は、言うまでもなく、その全てに何かしらの由来がある。ひとつ例を挙げれば、‘apricot’ は、英語の ‘precocious’ を意味しており、熟した桃とはまた違う、その味の…

Royal Jelly

この短編はギリシャ神話の1節を元にしているように思える。ゼウスが、コルシカ島でAmalthea (=goatの意)、Melissa(=honey, quenn bee の意)姉妹にヤギの乳と蜂蜜で育てられたという神話である。ミツバチあるいは蜂蜜は、ギリシア神話にしばしば登場する象…

言語の役割:覚書

人間は関係性の中に存在している。より厳密に言えば、存在すること自体、関係することに他ならない。人間は、自分と自分をとりまく環境との関係を示す目的で言語を用いる。この意味においては、音楽や絵画のようなおよそ言語と無関係に見える行為も、すべて…

Parson's Pleasure

‘persona’ は、様々な文脈で用いられる語である。一般的には、心理学者ユングが提唱した「表面的人格」の意味で使われる傾向にあるだろう。源流をたどれば、この単語がラテン語の意味における「演劇の役割」や「仮面」を出発点に、少なくとも約800年以上前に…

余裕

快楽のためでも実生活のためでもない知識とは、数学や哲学に代表される学問的知識と考えて異論を呈する者は少ないはずである。つまり、学問が発展するためには、人々に日々の生活に追われない時間的余裕、経済的余裕、そして余暇が必要だというのだ。

チェイホフの猫

アントン・チェイホフの作品中には,頻繁に猫が登場する。その物語のうち,日本語にも翻訳されている『臆病なのは誰のせい』という短編の1節をこれから紹介したい。 飼っている子猫にネズミを捕ることを教え込もうとしたおじさんは,猫のいる部屋に一匹のネ…

コクマルガラスと鳩:イソップ寓話集より

何かに対して貪欲であることは、しばしば「人格者」や「成功者」の性癖として扱われる傾向がある。しかし、これは成功者だけが目立っているから美談として語り継がれるに過ぎず、良い事ばかりではない。その教訓は、以下に引く『イソップ寓話集』における「…

The Way Up to Heaven

小説は、過不足なく読まなければならない。読みが不足するのは言うまでもないのだが、書いてあること以上の内容を読者の想像で勝手に補ってはならない。正確に読むということは、その小説の作者と同等(あるいはそれ以上)の力を有している必要があるのかも…

閑話

1冊の本を餞別として手渡された。Mark Twainの “Life on the Mississippi” である。もう売られていない本だということだ。単にもう読まなくなったからなのだろうか…と思っていたのだが、当初はBaconを手渡そうと考えてくださっていたようなので、この書籍を…

William and Mary

今日は1ヶ月に一度の読書会である。先月も書いたかもしれないが、5年前から月に1回の頻度で行われているので、もう60回くらいのミニ講義(知的な雑談会)になっているかもしれない。今回は、Dahl の Kiss Kiss という短編集の第二部、‘William and Mary’ を…

読書会にて

ダールとは直接関係のない話だが、今日は、師匠宅で読書会であった。いつもの如くあまり発言することはしなかったのだが、居るだけでも新しいことが飛び交う素晴らしい場である。毎月を楽しみにしている会合であるのだが、これも2ヶ月後には(毎回)参加でき…

Berlin and Kay (1969) を踏まえて

人間の言葉と他の動物の伝達手段が異なっているのは、人間の認識行為が現象の直接把握と同時に、記憶と記録に結びついていることに起因する。記憶し、記録する行為は、必然的に、自己を連続的な存在として把握することを前提としている。各言語の言葉として…