a.k.a.Sakaki

赤坂さかきの旅路

習作⑨

使用ツール:SAI Ver.2, Photoshop

 記憶が正しければ、オンラインで公表する自身初のハロウィン絵だと思います。習作⑤、習作⑦、習作⑧で浮き彫りになった人体の課題克服を目的に描きました。

 習作⑤では、シワの寄りにくいブレザージャケットを描いた時、肩幅が広くなり過ぎてしまっていたので、今回の絵で改善を試みました。習作⑦ではセーラー服を描きましたが、今回、ブレザーの制服でも似たような質感で着彩できるかを課題にしました。そして、習作⑧では、描いている途中、キャラクターを座らせた時の脚とバランスに難があったので、再度「座らせる構図」を練習することにしました。あくまでも今年度は「キャラ絵」に集中してトレーニングです。以下、コンセプトとフィードバックのメモ…。

コンセプト

ひとことで言えば「みなさまからの反応が宝物」というテーマに、ハロウィンを重ねたイラストです。ジャック・オー・ランタンを模した容れ物には、ピクシブやツイッターでいう「いいね」が入っており、それを回収している魔女(うちの娘)の様子を描きました。はい、そこ、「露骨に『いいね』を押してもらおうとしてる」とか言わないの。

ひとつ1つに重みを感じています

 このハートは私の「宝物」とも換言できるので、宝石調で塗っています。氷や水滴の塗りの応用で描いたので「それっぽく」見えないかもしれませんが、とにかく、そういうメッセージを込めています。このブログをわざわざ読みにお越しくださった方々は、きっと絵の方にも反応していただいているはずですので、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

ちょっと余談

初めてPCで描いたイラスト(灼眼のシャナの画集を参考にしています)

 当時大学2年生でしたが、2012年に開催された「東方椰麟祭 第三幕」に刺激を受け、その帰り道にペンタブ(Intuos 4)を衝動買いしてパソコンで絵を描き始めました。そこから2014年5月頃まで、自サークル参加(表紙担当)だったり合同誌のゲスト原稿だったりを受けながら活動していたのですが、そこから仕事を辞めるまでは英語と言語学(とその関連諸科学)の勉強と教材の出版を優先してしまっていたので、多く描いても年に1枚がやっと…というような状況でした。

これを描いたことを知っている人はもう居ない気がします(2012年9月)

 年数ばかりが経っていても実力が身に付いていないわけです。今は実質3年目くらいの気持ちでいますが、就職のタイミングで一度アカウントを作り直した上に、絵を描いていない間もずっとフォローを続けてくださっていた方々には感謝しかありません。そういった諸々の感情を今回はこの1枚(習作⑨)に込めてみました。

フィードバック

想いだけが重い絵になってしまった感じがしてならないのが今回の絵でした(想いだけに)

 最初に述べたとおり、今年度の課題は「人体」なので、人体に集中して課題を設定しています。その課題は確実に良い方向へと修正されているのですが、その一方で、背景が一枚絵としての完成度を著しく落としてしまっています。とは言え、背景を全く描かずしてキャラ絵だけを練習しても将来的に技量は上がっていかないような気がしているので、このまましばらくは続けるつもりではあるのですが、とてももったいないことをしているように思えてなりません。

 奥行き感が出せずに雲を描いてみましたが、今回の絵に雲が入ると邪魔に感じましたし、かといって描かないと平面的に見えてしまいます。色々と考えながら辿り着いたのがこの完成度なので、テーマごとに動画を観たり本を読んだりするなどした後で、描画に取り組むべきかもしれません(なお、今回は建物だけフリー素材を加工して使用しましたが、その加工技術もイマイチです。フォトバッシュは今後主流になっていきそうなので要練習です。9年越しくらいで、ようやくフォトショップElementsからCSに乗り換えたので積極的に練習してみようと考えています。さけハラス先生の本を参考にしてみます)

今回もこのラインを意識しました

 次に、髪の塗りです。どういうわけか、急に塗りが分からなくなってしまいました。平面的になっているように思います。背景が夜になっていようが黄昏時になっていようが、基本的な工程に変わりがないはずなのに、難易度が上がったような感じがしました。これについては今後、着彩の時に光の色までを考えないで、光の角度だけを意識して塗り、後でオーバーレイなどを使って調節するような方向で、慣れるまでは工程を絞って塗っていこうと思います(途中で気付いたのですが製作者の電池切れで強行しました)

 また、ブレザーの質感が課題だったのですが、襟の部分がヨレヨレで格好悪い気がします。布の柔らかさは伝わってくる一方、パリッとさせるために硬めのブラシを使って線をぼかし過ぎないようにする…この塩梅を体得するにはどれくらいのブレザーを描かないといけないのでしょうか。肩幅は悪くないと思っています。1つでもできたことがあると報われますね。

 最後に、人体以外の人工物の描写があまりにも下手(言葉を選ばない)。とくに箒。魔女のとんがり帽子を被っているから箒に見えますが、毛の部分、どうしてこんな塗りになったのでしょう。今になって頭を抱えています。来年のハロウィン、あるいは、次回、箒を描く機会があったらきちんと資料を参照して再チャレンジしなければなりませんね。人工物も人体も同じ要領で描けるはずなのですが、モノをよく見ているか見ていないかで仕上がりが大きく違うようです。それを理解した…という意味では大きな経験値になりました。というか、最初から分かっているのですが、それを怠ったことが今回は問題だと考えています。

 次回のイベント絵はクリスマス、お正月、と続いていくと思いますが、その際も、人体以外の資料もきちんと手元に集めて描くことを忘れないでおこうと思います。また、完成まで丁寧に仕上げられる体力も身に着けなければならないスキルだと考えています。ここから1か月ほど、気になった女の子の版権絵や、自分の描きたいオリジナル絵を描いていくことになると思いますが、今後ともよろしくお願いします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献(資料)

  1. イラストレーターが考えた女子高生ポーズ集
  2. 動画で学ぶ背景イラストメイキング
  3. Photock:フリー写真素材「フォトック」

過去絵の参考文献(これらのいずれか)

  1. 『いとうのいぢ画集 紅蓮』
  2. いとうのいぢ画集II 華焔
  3. いとうのいぢ画集III 蒼炎
  4. いとうのいぢ画集 結 遮那