この日は軽めに「旧可部線 廃路線めぐり」でもしようと考えていたのですが、その前日、たまたま友人から雲海情報を受け取りました。ずっと「今年は行きたい」と考えていて、時期を検討していたところだったので渡りに船でした。今回は、条件も良さそうだったので「善は急げ」で行ってきた…という記事です。
高谷山
雲海を狙うなら日の出前(2021年10月9日は6:00頃)に現地入りしておきたかったのですが、しっかりと寝坊してしまいました。
出発予定時刻の30分後に目が覚め、気分までも冷め、ツイッターに「雲海チャレンジ失敗」と書き込んでから「廃路線だけのツーリングかなー」や「切り替えてお絵描きに集中するかなー」などなど考えながら布団の中でウダウダやっていました。すると、今度は別の友人から「まだ間に合う!」と背中を押していただき、だったら「日が昇ってからでもいいかー」みたいな感じで、なんやかんや出発することになりました。
道中の様子です。濃い霧がずっと続いて全身が濡れました。動画を見返してみたら水滴で何も映っていない場所もあってかなり視界も悪かったです。この時期の現地の人たち、これでよくも(毎日)自動車を走らせられるなって思います。
日が昇りきってから到着しました。「雲海」という名前は言い得て妙なところがあって、雲を海と見立てると、山が島みたいに見えます。
一応「雲海を生で見る」という実績は解除されたことになります。ただ、私たちが写真で見る雲海は、撮影者が何日も何枚も撮影してきた中での1枚だったということを訪れてから思い知りました。
よくよく考えれば、何にでも当てはまることです。天賦の才能を備えて生まれてくる人は1%にも満たない数だと思います。生物としての人間は(生まれる地域や遺伝的な面もあるにせよ)骨格も脳も筋肉も基本的には同じはずです。たとえ差があったとしても、それは後から巻き返せるくらいの微々たるもので、最初から英語ができるわけでも、絵が描けるわけでも、バスケが上手いわけでもありません。結局のところ、本人の習慣形成が「才能」として人の目前に明らかになっているに過ぎません。
ところが、写真の場合は、そこに気象条件が重なるので、いくら技術があっても撮影できない時はできませんし、同じ景色は二度と現れないので同じ景色は撮影できません。高いカメラやレンズは撮影を補助してくれるものではありますが、これらを買えば簡単にいい写真が撮れる…というわけでもないようです。始めたばかりで自分の撮影技術はまだまだですが、この日、この時間の景色だけは、他の誰にも撮影できない、自分だけの被写体というわけです。奥が深い、というより業が深い領域だと思いました。
撮影機材:insta GO2(NDフィルター有)*1
安野 花の駅公園
京都から帰って以来、初めての「豊平どんぐり村」です。休憩のついでに弁当を買うつもりで来たのですが、開店時間よりも早く着いてしまいました。缶コーヒーだけ飲んで花の駅公園に向かいます。
JR可部線は、2003年に現在のJR可部駅よりも先の路線が廃止になり、2017年に可部駅から2駅先のあき亀山までが復活したという歴史があります。まだ私が小学生だった頃は、三段峡へは電車でも行けたのですが、今では「タイヤ」を使わないと行けない場所になってしまいました。しかし、こうして記念碑として保存されていることもあって、近所を散歩するくらいの感覚で訪れることができます。
本当は、その「あき亀山」を起点にして「三段峡」までを辿っていく「廃路線ツーリング」の予定だったのですが、急遽、三次から安芸太田町を経由するルートに変わったので、また日を改めて行うことにしました。この辺りの道路はブログを書き始める前からFZ400で走っていたのですが飽きが来ません。今度はセローに変わったので、今まで入れなかったような別の景色を眺めることができると思うとワクワクします。
自分の写真はあまり撮らないのですが、たまたま居合わせたご家族の方にお声がけいただき、撮影していただく流れになりました。こうやって話を振っていただけることもあるので、京都ナンバーからは変えたくない気持ちになりますね。
安野駅で写真を撮るだけ撮ってから「よしお」の鯛焼きを買いに行きました。日差しは強いですが、風が気持ちいいです。峠道もスムーズで、自分のペースで走れました。穴場だと思うのですがあまりバイク乗りを見かけませんでした。
鯛焼き屋さんの駐車場でサトゥルノ 500 のオーナーさんと仲良くなりました。単気筒スポーツはSRX600(後期型)に乗っていたので、ビッグシングルのあるあるネタなどで会話が弾みました。オフ車が欲しいとおっしゃっていたので跨ってもらい、他のオフ車と比較しながらセローの魅力をたくさん伝えました。代わりに、サトゥルノにも跨がらせていただき、とんでもなく貴重な経験をさせてもらいました。やっぱりクラシカル車が欲しくなります。それも単気筒で。
肝心の鯛焼きですが、あんこがパンパンに詰まった、いたって素朴なもの。小さい頃にはよく連れて行ってもらっていました。こうして自分の足で来るようになると感慨深いですね。
幻の今福線まで
よしおの鯛焼きを食べ終わったタイミングで友人から連絡がありました。たまたま三次を走らていたようで「案内してあげる」との声をかけてくださっていたのですが、あろうことか、その連絡に気付いたのが三次を出発した後で、この一連のやり取りが終わる頃には、よしおを出発した時でした。
返信次第では三次に戻るつもりでいたのですが「また今度」ということで、廃路線ツーリングのもう1つ「広浜鉄道」の跡地へと向かうことにしました。
この「今福線」は、浜田(島根県)から三段峡までを結ぶ電車だったらしいのですが、どうでしょう、この古代遺跡感。普通に走っていたら驚きますよね。この写真までを撮影したところで、今回の廃路線ツーリングを終える予定だったので、これで目標達成です。次回は各駅停車で巡回してみたいところです。
その三段峡から湯来温泉を下る経路で帰りました。ただ帰るだけではつまらないので、一本内側の道を通り、ひとりでも走破できそうな林道を通って帰りました。5年前は通れなかった道なのでワクワクしました。
優しい道が続くのかと思いきや、泥濘んでいたり、ガレていたり、思ったより苦戦しました。京都で走った「茶呑峠」よりは優しかったです。カメラを持っていたのでコケないことだけ意識して走りました。単純にオフ車っぽいことがしたかっただけ。ページ下部に走行動画を貼っておきました。よろしければご覧ください。
5年ぶりのミルク工房
安芸太田町を散歩する時には、大抵、湯の山温泉に寄ってから帰るのですが、感染のことをもう少しきちんと調べてからにしようと考えて断念。今回は1つスキップしてソフトクリームを食べて帰りました。
ここのソフトクリームか、カフェテラス北山でケーキセットを頼んでいつもツーリングを〆ています。習慣みたいになっていますね。
軽めに考えていましたが、なんだかんだで300kmほど走っていました。県道11号線は開拓の余地がありますね。FZ400の頃よりも道が増えたのでこれからの散歩が大変です。とはいえ、幸せな大変さですね。
次は蒜山か…角島か…とびしま海道か…いやいや呉も尾道もいいな…。行きたいところが山ほどあって困ります。それも、別のルートを探すつもりで。
動画:林道探索の様子
*1:Insta GO2 はかゆいところに手が届く機材です。SONYのアクションカム以上の画角は欲しいけど、たった数十秒を共有するためだけに360°画角のカメラを買いたくない…という人にとってはオススメかもしれません。充電量だけに目を瞑れば面白い絵が撮れます。