序
昨年から散々通い詰めた愛知県ですが、どういう縁なのか再訪の機会を賜りました。米原 - 岐阜羽島駅区間の車窓から眺める、このお気に入りの景色を毎週のように味わっているところです(前回の道草)
僅かながら冠雪が観測されるような気がします。11月なのにも関わらず暖かい日が続いていましたが、今週から一気に季節が進んだような。数十年前までは炬燵が出ていたような記憶が薄っすらとあるので不思議ではありません。
これまでは別の仕事の影響もあって名古屋にカメラを持ち運ぶことができませんでしたが、ようやく撮影するくらいの時間の余裕が生まれたので、翌日チェックアウト後の出勤前に四間道に行ってみることにしました。
名古屋駅は相変わらずヒトに溢れていて、忙しなく時が流れていました。この垂れ幕も週に一度は変わっている様子です(ブルアカの幕は2週間ほど吊るされていました)
退勤後:夜間の部
今回、念願だったひつまぶしも食べられました。しゃもじで掘っても白米が見えないくらい鰻が乗っています。前回は諦めた一杯。1週間分の食費を工面するので精一杯だった過去を思うと、この一杯に特別な感情を抱かずにはいられません。
表面は香ばしくて身はふっくら…これは家で鰻を食べられなくなるヤツ…。ひつまぶしの食べ方も様々ですが、ここのお店では以下の食べ方を推奨しておりました。
- お茶碗に盛り、そのまま鰻の味をお楽しみください
- さらしネギとワサビを加えて、ご一緒にお召し上がりいただき、ネギとワサビの風味をお楽しみください
- 薬味と海苔をのせ、お出汁をかけて「うな茶漬け」をお楽しみください
どの食べ方も美味しかったですが、中でも感動したのはワサビ。香りが高いのに市販で売られているチューブタイプのような嫌な辛味が少なく、たっぷり目に乗せることによって鰻のタレの甘みをより強く感じられました。
食事を終えた後でスナップに出かけました。翌日散策予定の「四間道町並み保存地区」まで下見です。昨今のニュースに鑑みると、夜中ふらふらできる治安なのはありがたいですね。
少し木々による余白が生まれてしまった点に勿体なさを感じます。が、とりあえず手っ取り早く玉ボケを撮影したい時は自転車のベルを撮影しています。レンズは XF27mm F2.8(35mm換算:約40mm)の所謂「パンケーキ」です(レンズ紹介)
これを撮影していた時、通行人に「YouTuber ??」と噂されてしまいました。YouTube はやってみたいのですが未だに踏ん切りがついていません。POV形式のコンテンツは既に溢れているので何か新しい組み合わせがあればと思うのですが。
商店街までやって来ました。名古屋駅から15分~20分くらいでしょうか。妖艶な赤色に輝くネオンは存在感があります。ルートだけ確認するつもりでしたが、明日の予習と称して少し歩いてみました。
黄門様が。交差点の角を四神で取り囲むようにして織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の像もありました。また、名古屋は色々な地域から「イイトコどり」して街づくりが行われている認識ですが、まさか「秋のパリ祭り」という字面を拝むことになろうとは。
お店の名前が書かれた看板が妖しく光っています。この裏路地では闇の取引とか行われていそう。例えば、メニューに書かれていない特定の料理だったり、書かれてあるメニューをある順番でオーダーしたりすることで隠し部屋に案内される…みたいな(※妄想)
日中の顔が気になるところです。ほとんどがシャッターを下ろしているお店でした。それでも、要所々々で賑わっている様子を見ると「人が集まる場所」として機能しているように感じます。
四間道はあまりにも暗かったので写真は翌日までお預け。通過するだけ通過して名古屋駅に戻ります。道中のレーザービームチャンスは逃さない。多少のブレはあるものの、手持ちでコレを撮影できる X-S10 のポテンシャルには驚かされます。
2月ぶりのナナちゃん。夜間だと人通りが少なくて撮影しやすいですね。さすがに来年は名古屋出張なんて入らないと思うのでしばらくの見納めとなりそう。年末までお世話になります。
出勤前:日中の部
翌日は撮影できなかった四間道と、商店街のカフェで朝食を取る時間としました。しっかりと晴れてくれました。「泥江」と書いて「ひじえ」と読む。難読ですね。
道中もF8あたりの絞り値でスナップを楽しみました。ストリートスナップは「リフレクション」が楽しいです。作品に昇華できていませんが、なんとなく楽しい、を大切にして見つけた「おもしろい」を撮ることにしました。
ということで出入口に到着しました。足で距離を稼ぎながらシャッターを押していますが、XF10-24mm のような広角レンズで撮影したい場面が続きました。
時代が進むにつれて消えていくであろう「たばこ屋」です。フランチャイズ契約でもない、純粋な個人経営のコンビニエンスストア。何をするでも自己責任が伴いますが、搾取されることはないお店。
現代は便利になり過ぎました。こういうお店が今後また息を吹き返す可能性について考えてしまいます。コンピュータ(AI)はヒトの仕事を奪うかもしれませんが、我々には「対話」が残されます。つまるところ「あなたからモノを買いたい」と言ってもらえるようになることが大切なのかもしれません。
これも地域に愛されていると思われる神社です。特別、信仰心があるというわけではありませんが、観光のご挨拶ということで頭を下げに入りました。境内はお年寄りの集会所のような役割がある様子でした。例えるなら病院の待合室。
竹原市のような道が並んでいました。昔の人はインターネットもなかったのに、同じ時代には同じような建物が並んでいます。なかなか不思議です。
暖かいと寒いが一度に感じられます。ここ最近の愛知県は大きな地震があるように思いますが倒壊の気配はありません。うーん、不思議。
たまたま画角に入り込んでしまったのですが、杖を持ったおばあちゃんが、おじいちゃんの自転車の荷台に腰掛けています。朝からクスッと来るできごとでした。
古風な建物の裏に高層ビル。この今昔物語感が面白い場所です。大都会といえば、東京、大阪、そして名古屋が入り込んで来ると思うのですが、そんな都会の中心部に、この町並み保存地区が位置するのは全国的にも珍しい気がします。
前日の夜にはなかった(と思う)看板が出ていました。どうやら喫茶店のようです。直感的に「ここに入った方がいい」と思ったので、こちらで朝食とすることにしました。
店内に入ると「どこに座っても良いですよ」と言っていただけたので、最上階(?)に座ることにしました。ふかふかのソファに質感の良いメニュー表。これだけでも気分は優勝です。
メニューも面白いです。柔らかいイラストです。カレーモーニングと悩みましたが、トースト2枚のモーニングと「ニカラグア パブロベラスケス」のアイスコーヒーをいただくことに。
野菜多めで嬉しいです。パンはザックザクで香ばしいのにふわふわです。コーヒーも苦くて自分好み。味覚だけでなく嗅覚でも楽しめる朝食でした。トーストは仄かにバターの香りが鼻をくすぐり、ジャムと小倉によく合っていました。
しばらく名古屋への来訪が決まっているので今度は別のコーヒーも飲んでみたいですね。セットでも1200円程度(ここに来るまでは毎朝 Subway のサンドイッチのセットを食べていましたがあまり価格差はありません)
食事を終えて出勤です。毎日半日勤務であれば…と強く思います。午前中とはいえ日も高くなっているにも関わらず、営業しているお店が喫茶店くらいで少ないように思います。ひょっとしたら土日祝日に活気が出るのでしょうか。
結
タイムスリップしたみたいです。高層ビル群で空が狭く感じます。都会の喧騒から逃れたい…という人に「四間道」はオススメです。商店街にはカフェも多く営業していますので、お気に入りの一店を見つけてみては。
さて、次の道草はどこが良いでしょう。Google Maps を休憩がてらに眺めながらタスクを消化中です。― それでは、また。