a.k.a.Sakaki

赤坂さかきの旅路

お別れ:FZR

f:id:akasakaki:20200726174849j:plain

ニードル調整まででこの概算

 その日は突然やってきました。FZRの整備のうち自分の手に負えない部分や自分が気付けないような部分を診てもらうつもりでお店に向かいました。そこで突きつけられたのは,以前は「気にするほどでもない」と言われたタンク錆の実情でした。これがどうもかなり酷かったようで,ピックアップツールでタンクを擦ると鉄粉が大量に付着していました。ナンテコッタ

 花咲Gなどでの錆取りについて話してみましたが,この規模となるとサビ取りの際にタンクに穴が空くリスクが高いとのこと。アルミテープを貼るにしてもガソリンを相手にどこまで耐えられるのかが分かりません。ここまで来ているのであれば、タンク錆がホースをたどってキャブレターや燃料コックの方にも流れている可能性もあります。色んな協議の末,手放すことが現実である…と,勧められました。

 ここ最近,高回転域でのエンジンの吹け上がりに違和感を抱いていましたが,その原因は点火プラグではなく,タンク内の錆が浮き上がり,キャブレターに流れていたものと考えられそうです。最悪の事態ですね。

f:id:akasakaki:20200726180139j:plain

 もともとヤマハの燃料タンクは錆びやすいと定評があるようです。気長に直すことも楽しみに含めているつもりでしたが,あいにく私に休日はなく,タンク補修とキャブレターと燃料コックアッセンブリーなどに時間をかけている間に別の箇所に不調が発生しそうでした。

 このまま乗り続けるにしても,サビは燃焼とともに消えることはないので,シリンダーやピストンリングなどを傷つける可能性があります。完全復活させない限りは,遅かれ早かれ,エンジンが死んでしまうと考えられます。

 これらも言い訳なのかもしれませんが,他のFZRオーナーのためにドナーになった方が得策のように思えてきました。したがって,売却を決断です。

f:id:akasakaki:20200726181707j:plain

この丸目ともお別れ

 この日のFZRはとてもご機嫌で,エンジンもビュンビュン回って元気でした。何かを悟っていたのか,最後に元気な音を聞かせてもらいました。たった2年という短い時間でしたが,免許を取得していつかは乗ろうと思っていた憧れのバイクでした。よほどの縁でもない限り,もうFZRに乗ることはないと思います。発進から6速に入れるまでのシフト・チェンジのあの音はずっと心に残り続けることでしょう。

f:id:akasakaki:20200726182353j:plain

 たくさんの思い出をありがとう。そして大切に最後まで乗ってやれなくてごめんなさい。大好きなFZRというヤマハの名車でしたが,現行車に乗っていたら味わえない経験をさせてもらいました。もちろん,今回のような経験はできれば味わいたくありませんでしたが,こういう経験が今後の車両整備と点検に生きてくるのではないかと思うようにしておきます…というのは無理があるか。

 この感じだとTZRの方もサビに侵食されている可能性があります。梅雨明けした頃合いでチェックして場合によっては花咲Gでクリーニングすべきかもしれません。仮にサビで侵食されていたらキャブ清掃です。

 FRPタンクというのもありますが,事故のことを計算しておかなければなりません。路面を火の海にしてしまう可能性も高いのでできるだけ現在のタンクを大事に使わなければなりません。とにかく,話は梅雨明けからとなりそうですね。