序
今回はセローではなくFZRで城崎温泉まで行ってきた。この日の京都北部は雨(雪)の予報だったが、久しぶりの土日連休で長めの距離を走ることができるのだから強行することに。前日から気分は城崎温泉だったのだ。そう、人類には温泉が足りない。
予定していたルートは青線の部分だったが、城崎温泉から経ヶ岬灯台へ向かう途中、雨天中止を決断して帰路は沓掛まで縦貫道を利用した(中心に伸びている黄色の線)。新しい発見もあったけど、計画通りに遂行できなかったのは無念…まあ、この時期の北部は天候が荒れる。仕方ないのだ。
城崎温泉
ということで到着。え?「いつもより展開が早くないか」って…そうなんですよ。道中に道の駅を3つ通過したのだけど、朝6時出発でどこも営業していなかったのでレビューできず終い。
道中も往路は国道9号線(山陰道)をひたすら走り、途中で国道426号線に折れる。とにかく鳥取方面へ走って行き、豊岡市街と書かれた標識をひたすらに追っていたら城崎温泉に到着するのだ。ナビの必要もない単純な道である。渋滞がなく、自動車の流れに合わせて軽く流すくらいの気持ちの余裕で走ることができ、可もなく不可もなく…な交通状況である。
だったら、往路と復路を逆走したほうがツーリングとしては面白かったのかもしれない。経ヶ岬灯台では山登りもあるし、その疲れを温泉で癒やして高速道路(軽二輪:約2000円)で帰宅…が良さそうだ。
交通状況に関連した話だが、なんと今回は1台とてバイク乗りとすれ違うことがない日だった。但馬空港方面に視線をやると、山に薄っすらと積雪があった。それくらい気温が低かったし、悪天候の予報でもあったので、誰もいなかったのだろう…と思っている。往路は気持ちの良い、晴れの冬空だったのだけど。ちょっと寂しい。
余談ついでだが、春から夏にかけてよりも、秋から冬にかけての方が(個人的には)ツーリング向きの季節だと思っているので、自分にはシーズンオフという考えはない。寒いし身体の末端が痛くなるけど、寒い方がバイク(特にセローのような空冷エンジン)には優しい季節だと思うし、ピンと張り詰めた空気の方が気持ちいい(麻痺)。何よりコンビニのおでん等が美味しい。あれは麻薬。麻薬やったことないけど(重要)
7つある城崎温泉外湯だが、ここはやっぱり一の湯を…と思ったものの、観光客で溢れかえっていたので最奥にある鴻の湯さんにお世話になることに。
館内は写真撮影禁止なので口頭でのレビューだが、どうしてここに人が来ない(=少ない)のか不思議なくらい素敵な浴室であった。露天風呂もあり、湯加減は熱い。
すぐにのぼせてしまうくらいの温度ではあるが、露天風呂では、肌に突き刺さる寒さのおかげで、出たり入ったりを無限に繰り返すことができる。長時間ぼーっとできるだろう。飲料水も脱衣所のところに完備してあるし、バスタオルも借りられる。次から荷物は要らないな。
小学校低学年くらいの男の子が(たぶん緊張していたのかな)手すりを使って急にポールダンスを始めたり、解き放たれたウェイ系大学生と見受けられる複数名がダビデ像のモノマネをやっていたり…と、みんな熱さで頭をやられていた。すぐに出ていったから良かったものの。
温泉は 俗世の汚れを 流す場所
ドタバタ騒ぐ 場所に非ず
温泉街散策
身体が芯まで暖まったところで温泉街の散歩である。この時から小雨がパラパラと降って来た。ああ…晴れていたら。
向かいに見える建屋が鴻の湯さんで、これが城崎温泉の元湯とのこと。ここが城崎温泉の始まりだったようだ。図らずとも、最も古い温泉に入ったようだった。
ゴチャっとした中にある色んな情報が温泉街特有の「らしさ」を語っているように思う。閑散とした場所があり、誰も歩かないような裏路地があり、人の集まる場所には店が立ち並び、そこには「これ温泉と関連ないでしょ」っていうものが売られている。お店の人も表に出ないで中でテレビを見ている。声をかけられて始めて重い腰を上げて対応する。そんな場所。
温泉街は歩いていて寂しい気持ちになる。単純に現在自分が置かれている状況と病状に問題があるのだろうけど、究極にリラックスした状態で歩くと虚無が訪れるようである。
新しい店と古い店のそれぞれを見て、そこで働くアルバイトの店員さんらしき人と店主さんらしき人を見ていて、来客を観察していて、そこからその人々の生活を想像して、なんか色々と湧き上がる感情があった。
こういう気持ちになるけど、やっぱり温泉街は好きである。旅の疲れを癒やす…ではなく、自室以上に地に足をつけて物事を考えられる、静かな場所だからなのかもしれない。
帰路へ
経ヶ岬灯台へ…と思ったが、雨が酷くなってきたので中断を決意した。雨雲を抜けたあたりでAccuWeather(お天気アプリ)を確認し、高速道路に乗ることを決意。丁度いい。FZRのエンジンをしっかり回しておこう。
めちゃくちゃ気持ちいい。やっぱりこのバイクはアクセルを開いてなんぼのバイクだと思った。8000回転キープ時のマフラー音がたまらない。サーキット走行したら10000回転キープで遊べるんだよね…行きたいよね…。南へ行くに連れて晴れ間も広がり、ただひたすらに気持ち良かった。うん、乗るなら高速道路だ。法外な速度は出さないけど、アクセルは開かないと面白くない。
結
総走行距離329.8km。城崎温泉へはまた行こう。ただ、今度はセローで経ヶ岬灯台に再チャレンジしたい。散々FZRで走り回っても楽しかったが、やっぱり旅はセローでトコトコ走るのが性に合っているようだ。昔「もっと早くセローに会いたかった」と耳にしたことがあったが妙に納得である。
今月から日本海側に行くのは難しくなるだろうけど、日頃の行いが良ければ晴れてくれるだろう。セローにはグリップヒーターと新しいタイヤを装備しておこうと思う。前者は手元にお金さえ残れば…だけど、帰省もバイクで帰れそうなら帰って遊ぼうと思うので、なんとか工面してあげたい。冬キャン△の装備も必要だし、仕事はがんばれないのに必要なお金は膨大である。