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赤坂さかきの旅路

【後編】伊401と行ってないけど@呉・江田島(再々戦)

ここまでの内容 

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音戸の瀬戸公園にて

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 現在地、早瀬大橋から黄色い線に沿って音戸大橋を渡り、音戸の瀬戸公園を目指す。音戸の瀬戸公園は、かの平清盛公に縁のある場所である。今年で生誕900年記念ということをどこかで聞いていたこともあり、音戸大橋を渡り切ったところで「行ってみよう」と思いついたのであった。それまでは帰る気でいた。

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 太陽が傾いてきたせいか、どこか寂寥感を抱く1枚となった。なぜだろう。敷地に入り、樹齢1500年の屋久杉を通り過ぎて、目に飛び込んできたのがこちらの二重の塔であった。

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 これは平清盛が存命していた時に建てられた物ではなく、ゆかりの地として記念に建造されたようである。なぜ人間は記念碑を作り故人の影を偲ぶのだろうか。

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 歩みを進めると廃墟を発見。ラッキースケベに近いものを感じた。入りたい気持ちをグッとこらえて、上を目指してみることにした。

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 休憩できそうな櫓(?)を発見した。ここからは音戸大橋を眺めることができる。この時間から景色が霞んでしまって良い写真になってくれない。肉眼で見ても微妙な見渡しとなってしまったことが残念だが、大きな橋と海があると、なんだか懐かしい気持ちになってしまう。引っ越しを目前にしているからなのだろうか。

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平清盛の足跡

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 さらに上を目指す。こうやって赤く塗装された橋はなんだか興奮してしまう。厳島神社を意識しているのだろうか。ここは登らなくても良いのだが、せっかくなので渡ってみることに。

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 現れたのは平清盛の銅像である。この方角はどこを向いているのだろう。予想は厳島(宮島)なのだが、音戸大橋が見えた方角を向いているということは呉市内を差しているはず…ここは出発してから考え始めたことだったので調査不足と言えるだろう。

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 下ってみると、砲台跡地となっていた。ここにもあったのかー、という感想しか抱かなかったのだが、こうやって至るところに高角砲を置いていたということは、いかに時代が航空戦重視であったかということである。そういった思いを馳せることができたので、ここに来て正解だった。もと来た道を戻って呉市内を目指すことにした。

休山にて

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 いつもどおりの道を辿って呉市内を目指すつもりでいたのだが、マップを確認してみると、どうやら、わざわざ来た道を戻って呉市内を目指さなくても山を越えてしまえば呉市内に辿り着くようになっていたので、思い切って山越えをしてみることにした。経験上、こういったツーリングは1本内側の道を走るのが面白かったりするのだ。

 赤い線で引いた箇所が、当初予定していたルートだったのだが、いざ道なりに進んで脇に目をやると、アレイからすこじまを上から見下ろせることに気がついてしまい、「このまま直進して休山まで行ったら呉市内を上から見下ろせるのでは?」という仮説が立ったので、実際に走ったのは青い線で引いたルートとなってしまった。なお、再三の注意だが、大きいバイクでは行かない方が無難だと思われる。

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 三津峰山に辿り着くと、遊歩道が作られていることを知った。ここから3km先に進むとどうやら休山まで行くようだ。歩いて行くと別の景色が見えるはずなのだが、バイクを置いて徒歩で片道3kmは時間がかかってしまうので諦めることにし、そのまま休山を目指すことにした。

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 山頂に辿り着くまでに、宗教がらみの建物があったり、お墓があったり、なんとも不気味な道だった記憶がある。どことなく停まりたくない気持ちになったので一気に山頂までやってきた。一台だけ車が停まっていて、なぜか車が揺れていた。女の人がなぜか薄着になっていて、不自然な方を向いて座席に座っていた。何かを察して微妙な気持ちになった。

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 木造の建物は展望デッキとなっていて、視界が良好であれば、一面の海が目前に迫ってくる。黄砂なのか、大気汚染物質なのか、それとも花粉なのか…よく分からないけど、ほんの少しもったいない気持ちになった。長居しても仕方がないので、今度こそ帰ることにした。

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 呉市内へは、上の地図のルートで向かった。このルートに関しては、アメリカンあるいはリッターバイクに乗っている人は通らない方が良いだろう。道路状況が悪い上に狭すぎてオフ車でもしんどかった。ここから下山して休山トンネル(赤線)を通り、長迫公園を休憩場所と設定して向かうことにした。

灰ヶ峰にて

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 長迫公園に到着した頃には16時を回っていた。少し休憩したら帰るつもりでいたのだが、あることに気づいてしまった。― まだ灰ヶ峰に行っていない。

 休山から呉市内が見られるものだと思い込んでいたものの、木々が覆い茂っていたせいで見晴らしが良かったわけではなかった。だったら、最後に灰ヶ峰まで行って呉市内を見渡して帰ろう…と考えたのであった。単細胞生物だ。

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 ということでルートを確認してみたところ、なんだこの楽しそうな道は…という感じだ。県道だったか国道だったか忘れてしまったが、174号線をひたすらに進んで行き、途中で「灰ヶ峰」と書かれてある分岐点を右折すると辿り着く。

 右折してトロトロ走っていると、後ろから何やら青いバイクが追いかけてきた。「何を負けるか」と、追い抜かれないように走ったので道中の景色をまるで覚えていない。覚えていたのは雪が少しだけ残っていたことくらいだった。

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 山頂にやって来ると、青いバイクの正体が明らかになった。なんと、セロー225。乗っていたのは定年退職したおじいちゃん。同じセロー乗りに出会った嬉しさと、ちょっとした競争になったことなどで仲良くなり、記念写真を撮った。

 おじいちゃんのセローの横にバイクを付けた時に、私が転倒してしまい、自身の愛車に挟まれて動けなくなってしまった事故を除くと、ほんの少しだけだが、バイクに乗るのが上手くなったような気がした。クラッチ操作や体重移動の要領が掴めてきたのではないかな…と思っている。まだまだ上手くなりたい。

 おじいちゃんの他にも、趣味で写真撮影をしているというおぢさんにも出会った。私が転倒した時に助けてくれたのがキッカケで雑談を交わすようになった。Instagramで活動されているようなので、私もやってみようかな…と考えている。

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 展望台に上ったが、やはり視界があまり良くないようで、肉眼でもハッキリと呉市内を見渡すことができなかったのが残念だった。

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 灰ヶ峰と言えば、なんと言っても夜景である。しかし、夜になると翌日の用事にも影響が出るし、灯のない帰り道が不安なことから、日没を待たずして帰ることにした。数年前に殺人事件の現場にもなってしまったこともあったので、夜景を見る時は複数名で行った時にしようと思う。みなさんも、行くときは注意してくださいね。

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 ということで、呉・江田島ツーリングマップの作成に向けた資料収集の全日程が終了した…と、今度こそ思いたい。また行きたい気持ちはあるが、この日を境に瀬戸内海で遊ぶことが(しばらく)できなくなる。寂しい気持ちと、今から執筆する本の内容に関する楽しみの両方が押し寄せてきている。

 まあ、人生は長い。何年後かに再び瀬戸内海を走っているかもしれない。色んな場所をセローで旅したい。そんな想いが強くなったツーリングであった。