昨年と同様、桜を始めとした春を集めにお散歩しました…という記事です。昨年のこのタイミングでは所有していなかったXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroというマクロレンズ一本での撮影を試みました(一部 iPhone SE による撮影もあります:記事の最下部)
自身が小さな生き物の世界に迷い込んだかのような、冒険心や好奇心が刺激されるレンズです。一般的な望遠レンズで撮影した写真をトリミングしても似たような作品にはなりますが、このマクロレンズを使用することによって等倍で被写体を切り取ることが可能になります。つまり、より微細かつ明確に被写体を撮影できる利点があり、表現の幅が大きく広がる可能性を秘めたレンズだといえます。手ぶれ補正と防塵防水性能を兼ね備えていることも重なり、場所を選ばないで思い通りの作品を生み出せるようになるはずです。
予てより撮ってみたかった水滴の表現も、もっと追求すれば面白い世界を切り取ることができそうです。今回も撮って出しですが、RAWデータで撮影してレタッチしたりトリミングしたりすればもっと面白くなりそうです。編集技術もまた、撮影技術と共に培いたい技術かもしれません。
マクロレンズで特に難しいと感じたのが、被写体を探すことと、ピントを合わせることの2点でした。これらはマクロレンズに限定されない話ですが、ピントさえ合わせられたら他のことは撮影後にでも編集できるものの、そのピントを合わせるということが練習を要するように思います。この水滴も若干ノイズがかかっているように見えます。綺麗に撮影できたらきっといい作品にできていた気がします。
…と、まあ、こんな感じで実家周辺で撮影の練習をしたところで、広島市植物公園までお花見です。マクロレンズ1本で使用感を写真と共に振り返ってみましょう。
個人的に今回最もよく撮れたと思っています。10-24の広角レンズを使っても面白くなりそうですね。今度やってみよう。
手毬花と見間違えそうですが、ユキヤナギです。手毬花はもう少し季節が進んでから咲く点と、手鞠のような球形に密集することから区別しやすいと思います。こいつは棒状に咲いています。
この日、一緒に行った恋人が気に入っていた花でした。植物公園の方でも「見どころ」として紹介されていました。鮮やかなヒナギクですね。
英語名は“forget-me-not”。文法違反ではありません。いわゆる強調表現の一種で、こちらのほうが「絶対に忘れるなよ!」と言っている感じがします。小さくても存在感があるので、いいネーミングだなと思っています。
こういう時に広角レンズが欲しくなりますが、今回はマクロレンズ一本縛りなので、コレが限界でした。キレイな和傘です。
いつの日か、有名になった花のような気がします。どこででも見かける花になったような。元々は北国の花ですが、ここ広島でも普通に咲いています。
花の形状はスノーフレークや鈴蘭とよく似ており、仲間であることを感じさせます。これ、かなり小さな花なのですが、マクロレンズで撮影すると大きく見えますね。
葉はニラのような形状をしています。意外と単純なネーミング。ユリ科の植物なので「ニラ」という名称は「葉や球根を傷つけた時に香る匂い」が由来となっています。したがって、騙されて間違って食べないように気を付けましょう。アンタ死ぬわよ。
マルメロとよく似た果実をつける植物。生食はできませんが、酒や砂糖漬けなどで食されています。薬用としてのど飴にも加工されていますね。黄色の果実からは想像できないような鮮やかな桃色の花を咲かせています。さすがバラ科の植物といったところでしょうか。
名付けに悪意を感じます。こちらもバラ科の植物で、和名の由来は、果実が瓜に似ていることから「木に成る瓜」=木瓜(もけ)と呼ばれていたものが転訛して「ぼけ」となった…という説が有力のようです。
へー、イチョウってこんな感じで芽を出すのか…という気持ちでシャッターを押していました。確かに、よく見るとイチョウっぽい葉脈と形状の片鱗があります。これもピントを合わせるのに苦労しました。
食虫植物にはロマンが詰まっていますね。実際に詰まっているのは昆虫の死骸ですが…。でも、かわいいです。
桜にも色んな種類があります。 木に咲く桜も良いですが、芝桜も好き。桜は毎年のように見ていますが、どこかしら特別感があります。レジャーシートを敷いてお酒を飲んだり肉を食べたりしたくなる理由が少し分かる気がしました。やっぱり綺麗です。
茉莉花も、よく名前を耳にする一方で「花」を見ても実物とその名が一致しない植物のように思います(自分がそうでした)。ただ、香料のような匂いはしなかったです。すり潰さないとダメなのかな。
自然界にこんな色の花が存在するとは…という気持ちです。「翡翠」の名に恥じぬ極彩色を放っていました。
こちらも、本当に自然界が生み出せる彩度なのか…と疑いたくなるほどの赤色でした。広島に帰って来て4度目(?)の来園ですが、その毎回で驚きと発見があります。R255, G0, B0,くらい赤い。
こちらもゼラニウムの仲間、ペラルゴニウムです。特徴は花弁の付き方で、上部に2枚、下部に3~枚ほどの花びらがあります。種類も豊富で、紹介しきれないほど展示されていました。この花の名前を暗記するのに苦労しました。恋人に何度も「なんだっけ」と聞いたので「私の方が早く覚えた」と言われる始末。
…という感じで、掲載しきれないほどの種類の花々を観覧できます。珍しい種類の花もですが、コーヒーの花やバナナの花など、温室でしか見られないような植物も多数展示されており、年中楽しめる上に写真撮影の練習にもなります。初回で年パスを買っても良かった気がしています。
以上、作品例でした。F80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは、小さな生き物の世界を切り取るのに欠かせないレンズだと思っています。今年の桜の写真も楽しく撮影することができました。今回は「ただ近づいて撮影しただけ」のものが多いですが、被写体を見つけた際には、マクロレンズの特性を活かした撮影ができればと考えています。
これは別日の話ですが、偶然、恋人と帰りの電車が一緒になったので夜桜を見に行きました。最後にセローの写真を撮った桜並木です。暖色系の灯りに照らされた桜とマジック・アワーの空の相性が抜群です。
手前の提灯、空のグラデーション、極めつけには(見えにくいですが)枝の隙間から月が顔をのぞかせています。素直に上手いと思った一枚でした。カメラを持たせるといい写真家になりそうです。…と、まあ、こんな感じでお散歩もできたので、2022年のお花見は大満足でした。
来年もまた平穏無事に春を迎えられることを願っています。それでは、次回の記事でお会いしましょう。