a.k.a.Sakaki

赤坂さかきの旅路

モリアオガエルが可愛い@吉水園初夏の一般公開

カエル推しの町

広島県の天然記念物「モリアオガエル」を見るために、加計町に佇む「吉水園」に行ってきました。5月上旬から6月下旬にかけてが産卵期で、木の上に生息するカエルとしては日本最大種を誇ります。他のカエルとは一風変わった生態を持っており、滅多にお目にかかれない種です。

吉水園へは(一般の)自動車での乗り入れができないため、たい焼きの「よしお」さんがある旧加計駅の町営駐車場(無料)に停めて歩いて向かいます。よしおさん、移転したんですよね。

ご当地マンホールまでもがカエルでかわいいですね。落ち込んでいても、このマンホールを見かけたら何か幸せな気持ちになります。

到着

普段は入れないところに入れるのは何か悪いことをしている気分になります。自分もこういう平屋を山奥に建てて、遊びに来てくれる人だけを相手にして余生を送りたい。そんな静謐とした場所でした。

こんなのがいっぱい実っていました

建物の前が池なのですが、その上空、若い紅葉にぶら下がる「モリアオガエルの卵」を観察できました。彼らは水中に卵を産まず、こうやって木の上に卵を産み付けます。今年は時期が遅く、例年より1週間位、孵化のタイミングがズレる見込みらしい。

当のモリアオガエルさん

茂みの中をくまなく探してみると、いました、モリアオガエルです。こちらの個体はオスで、メスが木に登ってくるのをジッと待っているのだとか。ちなみに、アマガエルは英語で "tree frog" ですので、英語での名前の付け方もまた感じられて奥ゆかしい。

コロコロ、クックック、カララ、と鳴きながらメスをまっています。意外とたくさん見られて感激。

いろんな角度から撮っていますが、全く、逃げる気配がありません。なかなか肝の座ったカエルです。

オタマジャクシにも会えました。モリアオガエルの子なのかは素人目線では判断できませんが、他の種のカエルやイモリのような外敵が多い中でもたくましく泳いでいました。

ちなみに外敵たち

野鳥の姿は見られませんでしたが、アカハライモリやダルマガエル(?)の姿がありました。自然界というのは、こういった捕食者たちから逃げ切った者だけが次なる子孫を残せるというシビアな世界。

撮ったカエル

生物というのは、本来、子孫を残すだけの存在です。人生などと考える生物はヒトくらいのもので、彼らを見ていると現在の自分のお仕事がいかに「虚構」の世界の中にあるかを思い知ります。もっと「生きることに直結するお仕事をすべきなのでは」などと考えてしまう自分がいます(そういうお仕事はもっと大変)

撮ったヒト

そんな、生き物のあるがままの姿を眺めている時間はこの上なくリラックスできる時間で、叶うものならそういった写真家として生きれないものかと思ってしまいます。得てして、こういう肩書の仕事には競争が生まれるのが付き物なので、それが苦手な自分には現実味のない話ではあります。

絶景…?

モリアオガエルの観覧に満足し、帰路に着きます。ここは「絶景」を謳う展望デッキで、加計の町並みを一望できる場所らしいのですが、見る人にとっては拍子抜けするかもしれません。とはいえ、絶景といえば絶景かもしれません。こういうところで暮らすのはご近所付き合いが大変だと思いますが、この景色があるなら…と思ってしまう自分がいます。

道中、こういった「「「男の子が好きそうな」」」レトロカーの展示が。かつてクラウンも木炭で走っていたのか…と思うと衝撃が走ります。

幼稚園か保育所の改装らしい

こういった廃校舎の改装が近年は目立つように思います。水族館化されていたり、食堂化されていたり…。人工知能が台頭する時代の中、このようにして人類の痕跡が残っていくのも、何やらポスト・アポカリプス感が出ていて、行き場のない閉塞感に襲われてしまいます。

帰りは「よしお」のたい焼きを食べて帰りました。昔は餡の種類も色々選べたような記憶がありますが、粒あん一択に。どちらにせよ粒あん一択のつもりでしたが(本当に美味しいです)

近所の蕎麦屋さん

今回、あいにく蕎麦が売り切れてしまっていましたが、次回は蕎麦を食べに来てみることにしましょう。なかなかに美味しそうな蕎麦屋さんです。ついでに温泉にも使って優勝しよう。

機が熟すのを待つ

自然に触れられたことで気持ちが癒えました。3%くらいしかなかったHPやMPが半分くらいには回復。また1週間を乗り切れそうです ― それでは、また。