前回と同様、今回もオリジナルでの制作です。描いた絵の記録を記事にし始めてから(ブログを移行した頃から)ずっとセーラー服が描きたかったのですが、ようやくその欲求が満たされました。なお、この娘のプロフィールについては習作⑥の記事をご参照ください。
コンセプト
「セーラー服」と「秋」を主なテーマに絵を描くつもりでアイディアを練りました。この2つのテーマを収斂するために「名残」というキーワードを設定し、これを起点にして「セーラー服」からは「(元気な)幼馴染との思い出」を、秋からは「晩秋」という語を引き出してまとめてみました。なお、今回の「思い出」の表現方法は、ありがちですが「西日」としました。
ざっくりとテーマが決まったところで、細かい構図を考えていきます。キャラクターの性格が「元気系」なので、その対比として「女の子らしさ」を強調できるように、スカートに力を入れることにしました。ちなみに、タイツは秋冬コーデには必須だと思ったので取り入れたのですが、これに関しては趣味です(真顔)
ちょうど、前回(習作⑥)の反省を踏まえて「服の質感」を新しく課題として加えるつもりでいたので、課題の絵としては、おあつらえ向きだったように思います。布の質感は「生地の種類」と「重力」の双方を考えながら影を置いていかないといけないのですが、今回の構図だと両方ともわかりやすく伝えられそうだと考えました(もちろん、上手く塗れていればの話で)
これまで幼馴染としてしか見ていなかった子の「女の子らしさ」を見て、自分(=この絵を見た人)が恋心に気付いた、あの秋の夕暮れ。卒業して何年も経ったけど、気持ちを伝えられなかった後悔とともに今でも鮮明に思い出す…という妄想でした。
差す西日、朽ちぬ名残に鮮やかに
広げた裾と赤いもみじ
フィードバック
先述の通り、キャラ顔に加えて服の質感を課題にしていました。顔については少しずつではありますが安定してきたように思います。これが別のキャラ絵を描いた時にもブレなければ…といったところなので、版権イラストも取り入れながら練習していこうと思います。
背景が描けないのは圧倒的な経験値不足によるものなのですが、逆光のイラストはそれなりに描いてきた(今年だけで3枚目)おかげか、多少なりマシになっているように感じています(それでも影の位置関係に違和感)。後になって気付いたのですが、空気遠近法も取り入れるべきでした。まだまだ良くなりそう。これを抜きにして、人体に集中して今回の絵に対する改善点をまとめてみましょう。
まず、右目が気になりました。画面に向かって左側の瞳孔が中心に入ってしまっています。遠くからだとさほど気にならないかもしれませんが、見つけてしまってからは違和感を覚えるようになってしまいました。
次に、肩幅です。前よりは華奢に描けているように思いますが、これは「首の細さ」と「広げた腕」のおかげかもしれません。今の自分には違和感なく見えるものの、他の人にはどう映っているのでしょう。もっとグッと寄せてもいいような。
制服の生地は上手く表現できたと思っています。もちろん、完全ではないにしろ、上着部分の厚くも薄くもない質感と、冬服スカートの厚みは描けたと思っています。影の落とし方はもっと資料をよく見ながら描いて、積み重ねていくしかなさそうです。
タイツに関しては、そんなに力を入れて描くつもりがなかったのですが、それが功を奏して面白い表現ができた気がします。テクスチャではなく、細いブラシで繊維を薄く入れてみました。
面白い表現で言えば、髪の毛の「ハネ」を今回は描き込んでみました。前回の「硬さ」を少しだけ柔らかくしてみようと試みました。描く構図によっては今後とも取り入れようと考えています。
今回の絵は、これまでに描いた絵の中でもよく描けたと思っています。きちんとコンセプトを固めた上で、着色のラフまで仕上げたことによって、最後までブレずに完成させたからだと睨んでいます。面倒くさくても、見栄えする絵を描こうと思ったらラフの工程を最も大切にすべきだと感じた、学びの多い一枚でした。多くの人に見てもらえることを願っています。
参考文献
修正版